正式リリースを待った方が早いと思っていたが、やはりテストしておかなければならないことがいくつかあったので、WordPress3.0RC1日本語版をインストールした。
インストール手順は、2.92と何ら変わらないが、インストールの途中で、wp-config.phpに書き込みができないというメッセージが出た。指示されたテキストをwp-config.phpにコピペして、アップロードしたら、あっさりとインストールが完了した。
途中で、シングルユーザーかマルチユーザーかの選択があると思っていたが、ベータ版と同じく後から手動で作業しなければならないようだ。WordPress初心者が誤ってマルチユーザー版をインストールして混乱するより、こちらの方が良いのかもしれないが、正式リリースではこの辺りは変更になる可能性はある。
汎用CMSへの道を走り始めたWordPress
3.0で大きく変わることのひとつは、デフォルトテーマだ。このTwenty Tenと呼ばれる新しいテーマは今後のWordPressの方向性を示す、もっとも重要な変化だ。
シングル版のコントロールパネルでの大きな変化は、外観の設定だ。3.0では、従来の項目に3つの新しい項目が追加された。そのひとつが、「カスタムメニュー」だ。
私のブログテーマにもグローバルナビゲーションメニューはあるし、仕事で作った企業・団体のサイトにも、よほど特殊なデザインでない限り、グローバルナビゲーションメニューをつけることが多い。実は、メニューを設置することそのものには決して高度なスキルは必要ない。ほんの少し、HTMLやPHPに関する知識が必要になるが、ほとんどの場合、style.cssとheader.phpを弄っていれば、誰にでも簡単に設置できる。
けれども、コントロールパネルからグローバルナビゲーションメニューを設定できるようになったということは、とても重要なことだ。それは、WordPressがブログ構築ツールから汎用CMSへと進化しようとしていることを示す意志表示でもあるのだ。
残り2つの追加項目は、「背景」と「ヘッダー」だが、これも、WordPressが汎用CMS的な使われ方をすると想定されているようにも思える。そして、これらの新しい設定項目は、新しいデフォルトテーマTwenty Tenによって、テストできるようになっている。
マルチユーザー版の統合
今回のバージョンアップのもう一つの目玉は、マルチユーザー版を統合したことだ。RC1の時点では、シングルユーザー版をマルチユーザー版にするにするのは手動で行わなければならない。といっても、実に簡単だ。wp-config.phpの最後に次の一行を加えるだけでよい。
define ('WP_ALLOW_MULTISITE', true);
注意することは、エディタで編集した後、UTF-8形式で保存することだけだ。あとは、WordPress3.0をインストールしたディレクトリにwp-config.phpをアップロードすれば完了。コントロールパネルのツール設定にネットワークという項目が追加されるので、そこから、マルチユーザー化の設定ができる。
ネットワークの設定では、wp-config.phpや.htaccessに追加するテキストが指示されるので、その通りに実行して、アップロードすれば、コントロールパネルの最上部に特権権利者という項目ができる。ここから、ユーザーの追加などができる。