本日、Linux Mint 18.3 KDEがリリースされました。リポジトリ経由のアップグレードも始まったようなので、さっそくアップグレードしてみました。
今年10月にすでに発表されている(Monthly News – October 2017)とおり、Linux Mint開発チームは、Linux Mint 18.3 KDEを最後に、開発から手を引くことになりました。今回のアップデートが正真正銘、最後のアップグレードとなります。
基本的には、過去のアップグレード方法と変わらないが、新しい項目もあるようなので、公式サイトを参照の上、リポジトリ経由のアップブレードの方法を書いてみました。
TimeShiftのインストールとバックアップの取得
先ずは、ホットバックアップツールTimeShiftをインストールため、次のコマンドを順番に実行。
sudo apt update sudo apt install timeshift
インストール後に、アプリケーションメニューからTimeShiftを起動して、バックアップを取ります。
電源管理の設定からアップグレードの終了まで
バックアップが完了したら、設定→電源管理に行き、Suspend sessionのチェックボックのチェックを外します。スクリーンセーバーを導入していればこれも解除。
続いて、 アップデートマネージャを起動して、リフレッシュボタンをクリック。新しいバージョンのパッケージがないかどうかを確認し、新しいものがあれば、アップデートしておきます。
アップデート終了後、編集メニューの最下段にある「Upgrade to Linux Mint 18.3 Sylvia”」を選択して、これをクリック。
この先は、指示に従った進んで行み、最後に「アップグレードのリスクを理解した」というところにチェックを入れ、適用ボタンをクリック。
途中で、設定ファイルを上書きするかどうかを聞かれることがあったら、すべて上書きするを選択。アップグレードが完了したら、再起動して、Info Centerなどでバージョンが18.3になったことを確認しておきましょう。
将来の移転先について
Linux Mint KDEの開発は終了しますが、Linux Mint 18 KDEは、Kubuntu 16.04 LTSをベースとしているため、サポート自体は2019年4月頃まで(Ubuntuフレーバーのサポート期間は3年なので)継続する筈です。
一見すると、まだ余裕がありそうな気もしますが、それでも、来年1月にはKDE Plasma LTS版のバージョン5.12、来年4月以降には、Ubuntu 18.04 LTSのリリースが予定されているので、年明けあたりから、心がざわついてくる可能性は高いと思います。
最も素直な移転先は、Kubuntuの次期LTS版18.04でしょうが、冒険心のある人は、Arch LinuxベースのManjaro Linux KDEへの移転を検討しても面白いかもしれません。
Arch Linuxについては、Linux Mint KDE開発中止のお知らせのなかでも言及されています。そこには「ある程度の安定性を犠牲にしてArchなどの最先端を志向するディストリビューションを選択するという方法もある」とあります。
もちろん、ベースとなるディストロを変えるというのは、それだけでもリスクのあることですが、それでも、Manjaro Linuxであれば、安定性を損なうリスクを最小限に抑えて、Linux MintユーザーがArchの世界にジャンプできる可能性は高いと思います。
Manjaro Linux の詳細については、過去記事「Arch LinuxベースのManjaro Linux 17.0.6 KDEのインストールと日本語化」などを参照してください。
Linux Mint KDE版の開発中止はとても残念ですが、KDE Plasma 5のポテンシャルの高さを実感できたのは、Linux Mintならではのキメの細かい仕上げや美意識の高さのおかげだったと思います。
Linux Mint KDE開発チームには、心から感謝したいです。