Ubuntu 12.04 LTSがリリースされということで、連休を利用して、ノートPCの内臓HDDの片隅にインストールしてみた。
Desktop 日本語 Remix CDによるインストール
Ubuntuのホームページから、自身のPCのスペックに合ったUbuntu 12.04 LTSのisoイメージをダウンロードしてCDに焼き付ける。すでにDesktop 日本語 Remix CDもリリースされている。ただし、32bit版(x86用)のみ。
isoイメージを焼き付けたCDからPCを起動するとインストーラーが立ち上がるので、「Ubuntuをインストール」ボタンを選択。
通常は、前もってUbuntu用の空きスペースを作っておけば、最上段のままで、次へボタンを押せばよい。今回は内臓HDDにはすでに64bit版をインストールしているので、Ubuntu 12.04 Desktop 日本語版は外付けのHDDにインストールすることにする。「その他」を選んで、インストールするパーティションやブートローダのインストール先を選択する。
ロケーションは、北海道の人も九州の人も、デフォルトのTokyoを選択して「続ける」ボタンをクリック。
普通の日本語キーボードの人は、デフォルトまま「続ける」ボタンをクリック。
必要事項を入力して、デフォルトのアカウントを作成したら、後はインストールが終わるのを待つだけ。
64bit版のインストール完了後にすること
64bit版の場合は、インストール完了後に、Japanese Teamのパッケージリポジトリを追加することで、日本語 Remix CDと同等の日本語環境を構築できる。端末から打ち込むコマンドは次のとおり($はプロンプト)。
$ wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-jp-ppa-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add –
$ sudo wget https://www.ubuntulinux.jp/sources.list.d/oneiric.list -O /etc/apt/sources.list.d/ubuntu-ja.list
$ sudo apt-get update
きびきびした動作と卓越した操作性
Ubuntu 11.04から採用されたUnityシェルが不人気だった原因のひとつに、動作の重さがあったが、Ubuntu 12.04 LTSでは、この最大の欠点が克服されていて、きびきびと動作する。ちょっと極端かもしれないが、Linux Mint 12よりレスポンスがよいという声まで上がり始めている。
また、Altキーをタップ(軽く押す)と表示されるHUD(Head-Up Display)やWindowsキーを長押し(タップするとDashホーム)すると現れるキーボードショートカットなど、操作性に関しても随所に改良の跡が見える。
HUDについては、まだ使い方を把握できていないが、キーボードショートカットについては、個人的に是非ともほしいと思っていた機能のひとつだった。
そもそもUnityシェルは、タブレットPCを強く意識したUIなので、従来のキーボード操作に馴れたユーザーから不評を買っていた(私もそのひとり)のだが、こうした操作性への不満は、キーボードショートカットの活用を促すことによって、かなり改善されると思う。
Unity発表以来、人気の面でLinux Mintに水をあけられっぱなしのUbuntuだったが、今度のリリースが、反撃の狼煙になる可能性は高い。
まだまだ輝くLinux Mint
なお、Ubuntu 12.04 LTSからPAE未対応のCPUへのクリーンインストールができなくなっている。10.04や11.10からアップグレードすれば、PAE未対応のCPUでも動作するようだが、実質的なサポートは打ち切りられたと考えた方がよさそうだ。
おそらくUnityのパフォーマンスの改善するなかで、古いハードウエアが切り捨てられたのだろう。そうなると、UbuntuをベースとするLinux Mintが、次期バージョンでPAE未対応の古いCPUのサポートを続けるかということも気になってくるが、Linux Mintには、DebianベースのLinux Mint Debianという切り札もあるので、古いPCのサポートという面では、Linux Mint人気の牙城はまだまだ固そうだ。