自宅のノートパソコンのOSをWindows 7からWindows 8にアップグレードしたので、独断と偏見で、Windows 8について簡単にまとめてみた。
実はWindows 8は久々の優等生OS
Windows 7 Home Premiumの場合、Windows 8 ProやWindows 8 Enterpriseへアップグレードすることは出来ないので、新規インストールとなる。Windows 7やVistaの場合、ほとんどのすべてWindows.old内にデータが保存されるが、万が一に備えて、作業の前にデータのバックアップは取っておくこと。
自分のPCに実際にインストールしてみると、Windows 7より明らかに起動時間が短く、アプリケーションの動作も軽やかなことが体感できる。
これまでWindowsのアップグレードは、重くなるというのが常識で、あたかも、新しいPCの買い替えを促しているようにも見えた(実際にそういう戦略だったのだろう)が、今回のWindows 8は、安くて軽く、見た目もなかなかオシャレ(あくまでも個人の意見だが)だ。
Windows 8の最大の特色は、上記のMetroスタイルと従来型のデスクトップとのハイブリットOSになったこと。もちろん、Windows 8にアップグレードしても、タッチパネル液晶モニターに買い替えない限り、タッチパネル操作ができるようになるわけではない。
従来型のデスクトップ上では、Windows 95以来お馴染みのスタートメニューが廃止となり、プレビューの段階から不満の声が上がっていたが、実際に使ってみると、まったく問題がなかった。
最初は多少戸惑うかもしれないが、ショートカットで、アプリケーションの検索と一覧表示画面に直行する方法に慣れてくると、ほとんど不便な思いをすることはない。
ちなみに、アプリケーション検索画面へのショートカットは、Windowsロゴキー + Q となっている。その他、Windowsロゴキー + C でチャーム バーと時計の表示、Windowsロゴキー + D でデスクトップ環境へ直行など、従来からのショートカットに新しいショートカットが追加されている。
なお、どうしても、スタートメニューが必要だという人は、ユーティリティソフトなどを使えばスタートメニューを復活することもできる。
本当のところWindows 8は失敗だったのか
というわけで、マイクロソフトのOSを褒めたという経験がほとんどない(Windows 2000は渋々認めていたが)私も、Windows 8については欠点を探すのが難しいと思うほどなのだ。
価格的にも、期間限定(2013年1月31日まで)キャンペーンを利用すれば、Windows 8 Proのパッケージ版が6,090円、ダウンロード版だと3,300円で手に入る。さらに、2012年6月2日~2013年1月31日の期間中にWindows 7 PCを購入した人は、1200円でWindows 8にアップグレードできるのだ。これまた近年まれに見る低価格といってよいだろう。
ところが、これほどの優等生で積極的なキャンペーンが実施されているにも拘わらず、市場での評価は、冷ややかものが目立つ。先日もこんなニュースが飛び込んできた。
【速報】Windows8のシノフスキー社長が突然の退社!売れ行き悪いの?憶測の声【目がテン】
シノフスキー氏の辞任がWindows 8の売れ行きに関係しているのかどうかは憶測の域を出ないが、Windows 8の売れ行きが今一つなのは事実のようだ。
また、Metroスタイルアプリ(名称はWindowsストアアプリに変更になっている)の数が、想像以上に少ないことも気にかかる。
個人の関心は、すでにスマホやタブレットなどのモバイル情報機器に移っており、この分野では、AppleとGoogleが熾烈な競争を繰り広げている。この市場での遅れを取り戻すため、マイクロソフトはPCでの圧倒的なシェアを活かしたいと思っている筈だ。
そうなると、Windowsストアアプリを充実させることは至上命令といえるだろう。つまり、今はWindows 8の売上げグラフの数字だけを見て一喜一憂している場合ではなく、どれだけのWindowsストアアプリ開発者をWindows 8に呼び込めたかということが重要なのだ。
その意味からいうと、今の段階でWindows 8の成否を判断するのは時期尚早だ。特に、話題のSurfaceの発売も決まっていない日本ではなおさらだ。
もし、マイクロソフトが長期的な視野に立って物事を進めているのであれば、たとえ今は失敗作と評価されても、Windows 8が成功のもとになる可能性は十分にあると思うのだが、いかがだろうか。