Mac miniと外付けHDDで作るUbuntuトリプルブート環境

アップルが、Macにインテル製のCPUを採用するようになって以来、Mac上でWindowsが走るということはもはや常識。

この画期的な仕組みを実現してくれるのがBoot Campと呼ばれるソフトウェアです。Intel Macで採用されているファームウェアEFI(通常のPCではBIOS)からWindowsをブートさせてくれるという優れものです。Mac OSX10.5 Leopard以降からは、OS標準のソフトウェアでもあります。

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外付けHDDに3つ目のOSを追加する

今回の試みは、Boot Campでデュアルブート化されたMacに、第三のOSとしてUbuntu 12.04 LTSを追加してみようというもうです。デスクトップタイプのMac miniのエントリタイプ(2GBメモリ、HDD500GB、Mac OS X Lion)と500GBの外付けHDDを用意しました。

こちらのサイトなどを参考にさせてもらいました。Boot Campを利用して内蔵HDDにはすでにMac OS XとWindows7がインストールされているという前提で話を進めています。

また、外付けHDDのパーティションは、先頭から250GB~350GBを共通データ置き場とし、Fat形式又はexFat形式でフォーマットされ、残りをUbuntuのルートディレクトトとスワップ領域といった具合にフォーマットされているものとします。

exFat形式については、後述するので、自分の環境に合うようであれば、こちらを推奨します。

Ubuntu 12.04 LTSのインストール

先ずは、Ubuntu 12.04 LTSのインストールCDをドライブに入れた状態(現行のMac miniの場合は、DVDドライブがないので、USB接続されたDVDドライブ)で、オプションキーを押したまま、Macを起動します。

右端に現れたEFI Bootという項目を選択してエンターキーを押すと、次のような文字が現れるが、これは数秒で消えます。

error: ”prefix” is not set

次のようなメニュー選択が現れるので、2項目のInstall Ubuntuを選択。

  • Try Ubuntu without installing
  • Install Ubuntu
  • Check desc for detects

ここから先はいつものUbuntuのインストール手順と同じです。

なお、ブートローダのインストール先は、外付けHDDの先頭(例えば、外付けHDDが/dev/hdbとなっている場合は、/dev/hdb)とすること。誤って内臓HDDにブートローダをインストールしてしまうと、MacやWindowsが起動できなくなってしまうので、くれぐれも慎重に。

exFat形式を選択した場合の設定

前述のexFat形式は、マイクロソフトが主にフラッシュドライブ向けに開発したファイルシステムで、1ファイルが4GB以上(容量に制限なし)でも保存でき、32GB以上の領域を1ボリュームとして設定できるなどの長所を持っています。内臓HDDでは原則として使えないことになっていますが、外付けHDDでは問題なく使えます。

また、WindowsであればXP SP2以上、Mac OS Xの場合は、10.6.6以上でなければ使用できないという制約があります。Ubuntuのデフォルト設定ではexFat形式を利用できないようになっていますが、以下の要領でfuse-exFatをインストールすれば、UbuntuでもexFat形式でフォーマットされたドライブ上のファイルを読み書きできるようになります。

sudo add-apt-repository ppa:relan/exfat
sudo apt-get update
sudo apt-get install fuse-exfat

トリプルブートの切り替え方

以上で、Mac、Windows、Ubuntuのトリプルブート環境の完成です。各OSの切り替え方は次のとおりです。

  • Mac:起動時にオプションキーを押して、選択メニューでMachintosh HDを選ぶ
  • Windows:起動時にオプションキーを押して、選択メニューでWindowsを選ぶ
  • Ubuntu:起動時に何もしない。Grubの選択メニューからUbuntuを選ぶ

今のところ、Mac mini上でUbuntuを利用するにあたって、特別な不具合や制約(無線LANアダプタを認識しないくらいのことはありますが…)はありません。従って、Ubuntu以外のOSでも、インストールCDがELF Bootに対応してさえいれば、第三のOSとして使える可能性は高いです。お試しあれ。

【追 記】20181124
上記の方法はとてもシンプルなのですが、Mac側で起動ディスクを選択したり、Mac OS Xのバージョンアップを行ったりすると、外付けHDDからの起動ができなくなるという問題があります。

そこで、お薦めなのは、外付けHDDの先頭に、数MB程度のrEFIt用の領域を作り、その後ろの領域にUbuntuをインストールするという方法です。Grubのインストール先は外付けHDDの先頭ではなく、Ubuntuをインストールする領域の先頭にするという点だけ注意してください。

なお、rEFItのインストールについては、「年代物のMacBookでトリプルブートPCを作ってみた」という記事のなかでも触れています。rEFItのインストール先は、デフォルトで、内臓HDDの先頭となっていますが、これは外付けHDDの先頭へと変更できます。

新しいトリプルブートの方法では、Ubuntuでの立ち上げは、オプションキーを押して起動して、選択メニューで外付けHDDを選び、続いてGrubの選択メニューからUbuntuを選ぶということになります。

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