Debian GNU/Linux 7.0 Wheesyが予定どおり5月5日の子供の日にリリースされました。そこで、いつものVAIOノートにインストールしてみました。
このノートPCには、Linux Mint Debian Xfceがインストールされているので、先ずはGpartedを使い、Debian GNU/Linux 7.0をインストールするためのパーティション領域を確保しました。
Debian GNU/Linux 7.0のインストール
BitTorrentなどを利用してCD又はDVDのisoイメージをダウンロードします。CDだと合計8枚、DVDだと合計3枚となっていますが、実際のインストールに必要なCD/DVDは最初の1枚のみです。
なお、DVDを選択した場合は、インストールの段階でデスクトップ環境を選択することになります。デフォルトのデスクトップ環境は、GNOME3です。
これに対してCDを選択した場合は、GNOME3の他、KDEやXfce、LXDEなど、デスクトップ環境毎にインストールCD(2枚目以下は共通)を用意することになります。今回は、debian-7.0.0-i386-xfce-CD-1.iso.torrentを選択して、Xfce用のインストールCDを作成します。
Xfce用のインストールCDができたら、これでPCを起動させます。インストール方法の選択肢が提示されるので、通常は、メニュー1番目のInstall(いわゆるテキストモード)か2番目のGraphical Installを選択。Graphical Installであれば、インストール手順のスクリーンショットが撮れると思っていましたが、残念ながらVAIOノートとの相性が悪く、Graphical Installではインストールはできませんでした。
気を取り直して、もう一度CDから立ち上げ直し、メニューの先頭のInstall(いわゆるテキストモード)を選択して再挑戦したところ、今度は問題なくインストールできました。
インストールの途中で、ipw220-6ss.fwファームウエアが必要だというメッセージが出ましたが、これはVAIOノート内蔵の無線LANアダプタ用のドライバが必要だという意味でした。GPLライセンスとの問題で、同梱できないバイナリーで提供される非フリーのドライバなどが必要な場合、こうしたメッセージが出ます。
Debian公式サイトからfirmware.zipというファイルをダウンロードして、これを展開。firmwareフォルダ内にあるfirmware-jpw2x00_0.36+wheezy.1_all.debが目的のファイルなので、これをUSBなどにコピーして、PCに挿し込み、先に進みます。ライセンス条項に同意すれば目的のドライバがインストールされます。
ここで無線LANの設定もいっしょに行おうとしましたが失敗しました。ドライバーが正しくインストールされていさえすれば、設定はインストール後でも構いません。
HDDとメモリの消費量
インストール直後の状態で、システムのHDD消費量は、約4.1GBですから、かなりコンパクトにまとめられているという印象です。当然、デフォルトでインストールされているアプリケーションも少なめですが、Synpaticパッケージマネージャなどを使えば、誰でも簡単に自分好みのアプリケーションを後から追加できます。
さっそくシステムモニター(パッケージ名はgnome-system-monitor)を追加して、いつものようにログイン直後のメモリ消費量を計測しました。結果は、2GB中95.6MB(4.7%)という数字でした。
同じ条件下でのLinux Mint Debian Xfceのメモリー消費量が、2GB中146.8MB(7.3%)なので、Debian GNU/Linux 7.0 Xfceの数字は、想像以上に衝撃的なものでした。さらに、実際に使ってみると、体感的にもDebian GNU/Linux 7.0の軽さが実感できます。
Linux Mint Debian Xfceの終了からDebian GNU/Linux 7.0 Xfceの時代へ
ところで、メモリー消費量の比較で利用したLinux Mint Debian Xfceのバージョンは、LMDE 201204です。最新版ではありません。
Linux Mint Debianは、セミローリングリリースという方式を採用していて、基本的にはDebianと同じローリングリリースですが、半年から1年毎にディスクが提供されるようになっています。現時点での最新版は先月リリースされたLMDE 201303です。
残念ながら、最新版のLMDE 201303では、Xfce版はなくなり、Cinnamon版とMATE版のみの提供となっています。このため、今回使用したVAIOノートのような低スペックPCは、実質的には切り捨てられたこと(MATE版はある程度軽量ではありますが…)になります。
もちろん、Linux Mint Debianは、Debian Testingをベースにしているので、安定版のDebian 7.0がリリースされた以上、Test版は、次期バージョンのDebian8.0を想定した開発に向かうのは理解できます。CinnamonやMATEが使えないPCが切り捨てられて行くというのは、ある意味仕方のないことなのかもしれません。
そう考えると、同じような状況にあるオールドPCにとって、Debian GNU/Linux 7.0とXfceの組み合わせが、今後しばらくの間、救世主的な存在になることは間違いないでしょう。