Unityシェルによって存在価値を増したLinux Mint 11

古いVAIOにインストールしていたLinux Mint Debian Edition(以下LMDE)の調子が相変わらすおかしい。次のような現象に悩まされています。

  • Filezillaなどで、大量のファイルをアップロードしているときなど、突然、画面が崩れる。例え完全に崩れなかったときでも、段々と色がおかしくなって、最後は再起動しなければならなくなる。
  • ログインするたびに日時を合わせなければならない。

Intelのサイトから915GM Express内臓のビデオチップのDebian用のドライバをダウンロードして、少し弄ってみようかとも思いましたが、よく考えてみると、ログインするたびに日時がおかしくなるという現象は、ビデオドライバとは関係がなさそうです。

ちなみに、最初にLMDEのインストールに成功したLaVie(こちらはUbuntuとの相性が今ひとつでした)では、何の問題も起きていません。負荷のかかる仕事を与えてもサクサク動いています。また、Windows7 Professionalを搭載したデスクトップ機にもLMDEの64bit版をインストールしましたが、こちらも快適に動作しています。、VAIOで起きているような問題が起こる気配は感じられません。

どうもこれはVAIOとLMDEの相性問題っぽい。そこで、このPCでLMDEを走らせることは一旦諦めて、最近リリースされたばかりのLinux Mint 11をインストールしてみました。

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Linux Mint 11をインストール

UbunuベースのLinux Mintの場合、最後の数字が準拠するUbuntuのバージョンを表しています。つまり、Linux Mint 11はUbuntu 11.04をベースにしたディストリビューションとなります。

先ずは、Linux Mintのサイトから、32bit版のLinux Mint 11のisoイメージをダウンロードしてインストールDVDを作成します。ちなみ、DVDドライブのない機種にはCD向けのisoイメージも用意されています。DVD向けとの違いは、マルチメディア系のアプリケーションなどが入っていないということになりますが、これらのソフトウエアは、インストール完了後に簡単にインストールできます。

インストールDVD又はCDで、パソコンが立ち上がったら、デスクトップ上のInstall Linux Mintアイコンをダブルクリックします。ここから先は、Ubuntu 11.04のインストールとまったく同じです。


Linux MInt 11とUbuntuのメモリ消費量比較

Ubuntu 11.04ベースのLinux MInt 11ですから、ある程度の重さは覚悟していましたが、実際に使ってみると、意外に軽やかに動作します。そこで、システムモニタのみを立ち上げた状態で、Ubuntu 11.04とのメモリ消費量を比較したら次のような結果となりました。

  • Linux Mint 11:
    2GBメモリ中217.3MB(10.8%)使用
  • Ubuntu 11.04:
    2GBメモリ中257.7MB(12.9%)使用

LinuxMint11SystemMoniter

メモリ消費量の違いは約2%で、サイズにすると約40MB。この差は、Ubuntu 11.04から採用されたUnityシェルが使っているメモリだと考えてもよいかもしれません。大量のメモリを搭載した最新のPCなら誤差の範囲内かもしれませんが、非力な古いPCでは、この差は体感速度に影響を与えそうです。

ちなみに、Ubuntu 11.04には、現バージョン限定ということで、従来のユーザーインターフェースのUbuntuクラシックも用意されていますが、こちらで計測すると、メモリ消費量は、2GBメモリ中234.0MB(11.7%)ということで、両者のちょうど真ん中にピタリと収まっていました。

なお、LMDEについては、すでに削除した後だったので、同じPCでは比較できませんでしたが、LaVieにインストールしたLMDEで測ってみると、2GB中156.7MB使用という結果でした。DebianベースのLMDEの優秀さが改めて証明されたことになります。

MacライクなUbuntuとWidowsライクなLinux Mint

もちろん、メモリ消費量だけでOSの優秀さが決まるわけではありません。UnityシェルによってMacライクな操作性を実現したUbuntuによって、PCでの作業効率が上がれば、メモリ消費量が増えたことなど、あっという間に相殺されるでしょう。

一方、従来からのGNOMEシェル上に構築されたWindowsライクなユーザーインターフェースを踏襲するLinux Mint 11は、UbuntuがUnityシェルを採用したことにより、その存在価値が相対的に大きくなったような気がします。少なくとも、Ubuntuがあるのに、どうしてUbuntuベースのLinux Mintが必要なのかと疑念を抱く人(実は私もそのひとりだったのですが)は、少なくなるでしょう。

そして、この多様性こそが、MacやWindowsの世界にはない、Linux独自の文化なのかもしれません。

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